顔痩せ注射(Toxin for masseter Slimming)、脚痩せ注射(Toxin for calf Slimming)がボツリヌストキシンによる効果であることはよく知られていますが、ボツリヌストキシンにはしわ取りの効果もあることはあまり知られていません。
ボツリヌストキシンことToxinは正式名称をボツリヌス毒素 BTX(Botulinum Toxin) といい、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)によって生成される高分子タンパク質神経毒素です。ボツリヌストキシンは、神経筋接合部で神経伝達物質アセチルコリンの放出を阻害し、筋肉を弛緩させ、過剰に収縮する筋肉をリラックスさせることで、輪郭を整えしわを取り除くことができます。顔痩せや脚痩せに加えて、美容医療(aesthetic medicine)のボツリヌストキシンは顔のしわを安全かつ効果的に取り除けることが証明されています。これが私たちがよく使うしわ取り注射(Anti-wrinkle)です。
しわ取り注射(Anti-wrinkle)を注射すると、ボツリヌストキシンがコリン作動性運動神経の末端に作用し、運動神経の末端からアセチルコリンが放出されるのを妨げることで筋繊維が収縮できなくなります。ボツリヌストキシンは神経と筋肉の間の情報伝達をブロックし、筋肉を緩め、長期に渡ってかかっていた圧力から皮下細胞を解放することで、しわを伸ばすことができます。
しわ取り注射は美容医療の非外科的施術(Non surgical procedures)のひとつで、お肌に傷ができません。またダウンタイムもなく、すぐに効果を得ることができます。しわが気になる部分にボツリヌストキシンを注射するだけで、3日から14日後にはしわが徐々に軽減されます。
しわ取り注射が可能な主な部位は、眉間の縦じわ(Glabella lines)、目尻のしわ(fish tail lines)、おでこのしわ(forehead wrinklesまたはworry lines)です。
しわを取り除くもう一つの代表的な施術としてヒアルロン酸注射(Dermal Fillers)がありますが、ヒアルロン酸注射とボツリヌストキシン注射にはどのような違いがあるのでしょうか? ヒアルロン酸注射とボツリヌストキシン注射はどちらも注射系の美容施術(injectable aesthetics)のひとつで、どちらもシワを除去する効果がありますが、対象部位や原理、術後の効果の現れ方などが異なります。ヒアルロン酸は表情がないときの静的なしわ(static wrinkles)に作用し、真皮層(dermis)に注射されます。一方、ボツリヌストキシンは長期間の表情の癖によって生じた動的なしわ(dynamic wrinkles)に作用し、筋肉層(muscular layer)に注射されます。顔のしわをしわくちゃの紙に例えると、ヒアルロン酸(hyaluronic acid)は紙が水に浸かることで平らになるのに対し、ボツリヌストキシンは手で少しずつ紙を伸ばすようなイメージです。またヒアルロン酸は通常、注射後すぐに効果が現れますが、ボツリヌストキシンは1~2週間待つ必要があります。
ボツリヌストキシンは処方薬 (POM) の扱いになるため、イギリスでは処方資格を持つ医師が薬局で処方する、または製薬会社から直接購入する二つの方法があります。Aiビューティークリニックが扱っているボツリヌストキシンのブランドは、ドイツの Bocouture/Xeomin、イギリスの Azzalure、アメリカの Botoxの3種類です。この3つのボツリヌストキシンはすべて非常に安全なA型ボツリヌストキシンであり、しわ取りや痩身に使用されています。どのブランドも人気があり、それぞれに優れた特徴を持っています。